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サックスのネック&ライヤースクリュー プラチナメッキ仕様1

ワンダフルボーイズの新作(2017年春頃発売予定)の
サックスレコーディング日でした。
アルトサックスネックのメッキ加工を行っていただいた
宮崎県のMIKI楽器さんより、プラチナメッキ加工をしたネックスクリューネジを
サンプルとしてお借りしたので、そちらを使用して録音に臨みました。

初めて吹いたときは、コントロールが難しかったのですが
改めて、何度もテストをしてみると特徴がわかってきました。

特徴としては、
・最大音量が(リガチャーネジほどでないが)上がる
・音色は、上品にまとまる
・艶(つや)がでる
・一言で言えば、「Wet」 *通常の真鍮ネジは「Dry」
・JazzyなBuzzは少なくなる(=Dry) とも言える
・素早いパッセージ&タンギングを求められるフレーズには
 不向き。(抵抗感がありすぎて反応スピードが鈍る)
・反応速度=音の立ち上がりが遅いラバーマウスピースと組み合わせると、
 コントロールが非常に難しい。

という特徴を感じています。
ネジだけではなく、その他の道具との相性に依存する部分です。

ネック&ライヤースクリューについては、
5年ほど前に、一度ブームがあったように思いますし、
ネット上にも先人の研究成果があがっています。

<参考>
石森管楽器製 ネックスクリュー ねじ その3 〔結論編〕
ネックジョイントスクリューとライヤークスリューを社外製にしました [サックス]

鳴らし切るのに、非常にパワーがいるプラチナメッキネジですが、
楽器の余韻・音色の艶が、本日レコーディングする曲には
相性がよさそうなので、使用してみました。
結果、ドンピシャにはまりまして
実に満足行く音質でのレコーディングができました。

セルマー純正ネジのメッキ加工ということで、
一度加工をしてしまうと、元には戻せない部分ではあります。
そして、よほどの環境でない限り、聴いている人に
一切気づかれず、奏者本人しか”違い”を実感できないような
些細な部分かもしれませんが、
じっくりと取り組むほどに、純正のDryな響きのネジとの違いに気づき、
その音色に惹かれるパーツだと思います。

↑こちらは上がアンティグア・下セルマー純正のPTメッキ

ネックが純正真鍮の楽器などには、効果があります。
ネックに重い金属(GP/PGP)を使用している場合、
ネック&ライヤースクリューを重い金属メッキに変更すると
コントロールが非常に難しくなります。

ネック・MP・リガチャー/リガチャーネジがPt

ご興味ある方は、MIKI楽器さんへ、
気軽に相談されることをオススメいたします。


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