新潮社文庫 ヒゲのウヰスキー誕生す
http://www.shinchosha.co.jp/book/142802/
昨年9月、そして今年の6月
二度にわたり、北海道余市にあるニッカウヰスキー工場を訪問しました。
この秋以降は、なにかと話題にもあがるであろう場所ですが、
こちらの本を読んで、今までの断片的な情報に一本筋が通った気がします。
明治、大正から、昭和
時代や社会の事情が刻々と変わる中で、日本に前例のないものを
作り出そうと奔走した本気の大人達の物語
竹鶴政孝・鳥井信治郎・濱田庄司・柳宗悦
同じ時代を生きた様々な人の繋がりがみえたときに、鳥肌がたちます。
そして
個人的に、次に気になるのは、アサヒビールの山本 為三郎
大山崎の美術館は、好きな場所の一つですが、
あの場所の心臓とも言える山本 為三郎という人物の物語に興味があります。
作中には
〜人間は酒なしでは生きてゆけない。命を維持するのに食料が不可欠のものとするならば、酒は心の飢えをしのぐ糧といっていいだろう〜
同意すると共に、音楽や芸術といわれるものは、人間の心の豊かさのための栄養だと
思います。そんな芸術活動を支えた時代の人に今、針が振れています。
良書でした。