涙の理由


先日とあるピアノの先生の門下生発表会というのに
お邪魔してきました。
基本的にピアノ連弾での、アンサンブル発表会ということだったのですが
一組だけフルートとピアノという組み合わせの出演もいましたね。

で、僕も例外だったのですが、私の知り合いの方(写真手前)から
サックスで参加お願いします、と言われまして
「いかにも発表会!」の中、一人部外者がわけいって演奏してきました。

曲は二曲。
Song for Ina と火祭りの踊り。
どちらも色々なエピソードがある曲ですが、曲紹介は
軽めで、ほとんど語らず、すぐに演奏へ。

Song for Inaはグランドピアノと合わせるのは初めてのことでしたが
快心の演奏。
最後の1音を吹き終えて、少し意識が遠のいてしまいましたので
お客様の顔をみる余裕はありませんでした。
夜になって、一緒に演奏したSさんからメールが届き、
「ありがとうございました。私の友人3名も含め、その他多くの方が
演奏を聴いて涙を流していたようです。感動しました」ということ。


嬉しい反面、ものすごく考え込みました。
察しの通り、有名な曲ではありません。おそらく会場にいた人で
誰もが初めて聴いた曲だと思います。
もちろん、歌詞もありません。
ピアノとサックスがあり、楽譜に従って音をつむぐ。
それが、人の心に触れ、涙を誘う。
音楽って恐ろしいほどに、人の中に入り込むものなんだなと
思ったのです。

曲紹介では触れませんでしたが、Song for Ina
"Ina"は、作曲当時亡くなったばかりのマクドネルの妻リンダの叔母
イーナ・ウィリアムズのファーストネームで、
ニュージーランドでは"Eena(イーナ)"と発音されます。
悲しみの曲というより、優しさや情熱が込められている
とてもロマンチックな素晴しく美しい作品です。

演奏者は、当然それを心得て演奏しているわけですが、
上記のような説明は一切していないのに、何かが伝わって
涙へとつながる。

音楽の起こす奇跡としか言えません。

音楽というものに携わって、随分な時間が経ちました。
けれど、この感動の共有は私にとって、大きな出来事です。
これに甘んずることなく、さらに表現者としての自分を
もっと磨きたいと思います。

ご来場頂いた方々、本当にありがとうございました。

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